製本・折加工相談センター日記

製本・折加工相談センター長が紙の加工についてとことんお話しします。

自社商品 toreruno(トレルノ)開発記録 2.torerunoノートの製本方法

 

皆さんこんにちは!

前回ノートの主な製本方法についてご紹介させていただきましたが、

今回はいよいよtorerunoはノートの製本方法について!

 

前回主なノートの作り方として

・糸かがり綴じ

・糸ミシン綴じ

・針金綴じ(中綴じ)

・無線綴じ

をご紹介させていただきましたが、

torerunoノートの作り方で一番近いのは無線綴じです。

通常の無線綴じと同様にtorerunoノートも本文に接着剤を塗布して

表紙と本文をくっつけています。

 

折丁合とバラ丁合

一般的に製本は、大きな紙に印刷された本文の用紙を長辺となる部分を半分に折る

ことを3回繰り返して折丁(おりちょう)と呼ばれる16p分の本文を作ります。

 

このtorerunoノートであれば、サイズがA5なので最初の紙の大きさはA5が8コ分(16p)のA2程の大きさです。

torerunoノートはバラ丁合と言って本文を折ることはせずに、A5サイズ大に切った

1枚1枚独立したペラの紙から作られています。

1枚の紙を16p分に折る折丁合(おりちょうあい)とは異なり、例えば一枚一枚違う紙で

ノートを作ることも可能になります。

(コストや手間の部分で現実的には難しいこともございますが…。)

 

その用意したペラの紙の束(torerunoの場合は80枚)の用紙を無線綴じ機械に投入して、

背の部分(本を開いたときの内側、中央部分)を通常の削り方ではなく、とても細かく削ります。

この削り方の詳しい説明は難しくなりすぎてしまうので割愛しますが、

これにより開きが良くなり、一枚ずつ取り外した時に綺麗な断面が生まれます。

 

無線綴じ図解
糊の種類

また、無線綴じの接着剤(糊)はとても種類が多く、それぞれが特徴を持っています。その中から強度があって、固まった時にも柔らかいという特徴を持った接着剤を選んでtorerunoノートは作られています。

 

通常は接着剤を塗る背の部分(ノド部分)はラフに、そして深く削ることでより

接着強度が出ます。

 

細かく削って通常の接着剤を塗布した場合は本来は強度が確保できないのですが、

この接着剤は強度があるため、細かく浅く削っても十分に強度が確保できます。

この接着剤の柔らかさを利用し無線綴じでも開きの良いノートの作成が可能となりました。

 

 

まとめ

さて、簡単にご説明させていただきましたが伝わりましたでしょうか?

torerunoの作り方のポイントは背の削り方糊の種類です!

 

こうして文字にして書いてしまうと一言ですが、

この最適な削り方を見つけるために何度も試したり色々な紙で作ってみたり

糊のメーカーさんに相談したりとたくさんの試行錯誤がありました。

皆さまにもぜひこのノートの使いやすさを体験して頂けたら嬉しいです。

 

次回は細かいこだわりポイント編!

次回もお楽しみに♪